様変わり

 サッカー日本代表のワールドカップ敗戦のショックから立ち直りつつある今日この頃、みなさまは健やかにお過ごしですか。

 台風7号が大禍なく過ぎてくれてよかったですね。

 もちろん、沖縄や長崎をはじめ他の地域の被害に遭われた方、ケガをされた方へはこの場をお借りして心よりお見舞いを申し上げます。

 

 私ごとですが、ホテルマン時代に経験させてもらった職種の中で『営業職』というものもありまして、ご存知の通り企業や学校、病院や各種団体などへ足を運び、忘年会や歓送迎会、周年パーティーや季節商品などありとあらゆるホテルの商品を売り込む仕事です。

 この営業種をメインとして働いていたのは今から15年ほど前なので、iPhoneは存在せず、Windowshは“XP”と“98”が混在していた時代です。

 

 その頃の私は、出社後まず地方紙の訃報欄をチェックし、その月の客室販売状況と宴会場のそれを確認し、営業車が空いていればキーを確保し、空いていなければ自転車か徒歩で行ける営業先に訪問するのが日課でした。

 

 訃報欄の確認は言わずと知れたものですね。

 販売状況は外出中に刻々と変化するものですが、それでもある程度把握して出ていかないと不便です。

 

 そしてもちろん訪問です。

 場合によっては事前にアポイントを取って伺うこともありますが、何よりも大切だと思っていたことは『顔を見せる』ということです。

 ほとんどの場合、会社や病院であれば受付、学校であれば事務室のように訪問先の窓口でチラシや案内を手渡すだけに終わります。

 『ご担当の方にお手渡し願います』と預けても、そのチラシがご担当の方に無事届くか、儚くゴミ箱へ直行かは知る由もなくですね。

 

 そしてサボることなく、腐ることなく訪問先へ通っていると、ホテル一番の掻き入れ時である年末商品の案内時に『クリスマスケーキもらおうかな』とか『今年のおせちたのもうかな』と受付や窓口の方からお声をかけてもらえることがあるのです。

 この時ほど営業職のやり甲斐を感じる瞬間はなかったですねぇ。

 

 もちろん、こういった機会やご縁を活かすかどうかはその後のいろいろなことにあるのですが、それは機密です。

 機密と言っても『だれでもやれそうなこと』をするかしないかだけなんですけどね。

 『やられたら気持ちがよいこと』とも言えるかも。

 

 現代の営業マンはスマホ一つで何不自由なく動けるんだろうなぁ。

 私のその頃は『企業白書』『くまもと経済』『ゼンリン地図』『名刺フォルダー』などなど、カバンがはちきれんばかりの荷物を持ち歩いていました。

 ただその頃もそれらの情報をデジカメに収めて仕事していた営業マンもいたでしょうから、その人達と私の差って、今となっては埋められない隔たりができてしまってるよなぁ。

 

 それでも電話やメールだけの営業では、人の心は動かないと自信を持って言えるな。

 

 先日、ホテル時代の同僚が治療後に私に放った『営業って外で何しよるかわからん』の発言を受けての今日のブログです。