接点復活剤

 早々と発生した台風の影響でお天気が不安定な今日この頃、みなさま健やかにお過ごしですか。

 

 ところでみなさんは『接点復活剤(コンタクトスプレー)』なるものをご存知ですか。

 無知な私は現在の愛車(ROVER MINI)と出会うまで知りませんでした。

 

 まぁ読んで字の如くの商品で、電気が流れる線の途中にある“接点(つなぎめ)”に塗布するもので、ホームセンターでもカー用品店でも入手できるスプレー缶です。

 

 この商品の本体には『コンタクトスプレーは、カーボンや異物などの汚れにより接触不良を起こしている電気系統の接点を回復させる接点復活剤です。汚れを除去し、接点部の摩擦を軽減。腐食から保護し、接触不良や迷走電流を防ぎます』と書かれています。

 

 話は変わって、我々の体に微弱な電気が流れているのはご存知のことと思います。

 スマートフォンの画面やその他のタッチパネルといわれるものの一部は、この微弱な電気を利用したものです。

 また、神経伝達にも電気が関与し、心臓をはじめとする臓器を動かすのにも電気が関与しているのですから、生きている体には必要不可欠なものなのです。

 

 人間も長く生きている間に、代謝できない物質(糖やタンパク)が溜まったり、偏った姿勢や動きの癖でその微弱な電気の流れが悪くなっていることも考えられなくもないですよね。

 また、ケガの中でも骨折や肉離れなど生体組織へのダメージが大きいほど、治癒の過程で神経や組織同士のつながりが悪くなっていることも考えられなくはないですね。

 もう一つは心因性のもので、例えば長期間にわたる過度なストレスや疲労から自律神経の働きを失調し、その結果として電気の流れが弱まったり阻害されたりしていることも考えられなくはないです。

 

 このように人間の体の中でも『異物による汚れ』『接触不良』『迷走電流』などが生じていないとも限らない。

 

 そこで私が思うに『鍼こそ生体にとっての接点復活剤』になり得るんじゃないってね。

 

 悠久のむかし、ご先祖様も自分たちの体に起こる生理現象だったり病に対して『なぜ』と問い続け、探求し続ける中で、現在の経穴(ツボ)を長い長い時間をかけた経験から導き出されたと思います。

 そんなご先祖様の残してくれた膨大なる知識と経験を科学的に証明するには、膨大な時間と労力が必要だと感じます。

 

 だけどいま徐々にではありますが、鍼治療に関するいろんなことがわかって(科学的に証明されて)きています。

 また同時に、仮説を立てそれを科学的に証明する実験も行われています。

 その一つに『生体内を流れる電気の通り道』の新しい捉え方、考え方があるのです。

 

 おばあちゃんが目分量で作ってくれる料理は美味しい。

 それをレシピとして確立させて他の人が作っても同じ味にならない。

 なんて経験ありませんか。

 

 世の中のすべてのものが定量化できないことはわかってはいるものの、定量化して目に見えるカタチにしないと納得できないのも人情ですねぇ。

 

 街中で古い車を見かけた時は温かい目で見守ってください。

 ウィンカーが点かない時もしばしばです…